誠之館の稽古について
誠之館兵庫道場では、居合の稽古は、武士としての立居振舞いを身に付ける事は素より、刀を抜いてから斬るのではなく、刀を抜きながら斬ることを稽古し、次に刀を抜かなくとも斬ることが出来ることを稽古し、更に刀を抜かなくとも相手を制することが出来ることを稽古し、その各段階を踏みしめて奥儀に近づくよう、所謂、「出来ねば無意味」というところを、よく理解しながら稽古に励んでいます。
現代の稽古環境では難しいかもしれませんが、生死を賭けて流派を守り抜いてきた先人達の生きていた時代、その空気、その生活様式、その精神的背景等、様々なことを考えて、体験し、まさしく稽古、「いにしえをかんがえる」事を大切に想い、稽古に励むことが先人達への恩返しではないかと考えています。
その点で、居合の稽古とは、「いかに生き抜くか」の稽古ではないかと思っています。
月謝とその他必要費用について
誠之館兵庫道場は月謝制でなく月2,000円の会費制です。入会金も要りません。みんなの会費で、会場使用料や必要経費を賄っています。
また、各種大会や行事などに参加される場合は、別途参加費が必要となります。
必要用具について
居合を始めるには、稽古着(道着と袴)、帯、膝用のサポーター、刀が必要となってきます。稽古着で約3万円程度、帯は数千円からで角帯になりますと1万円を超えるものもあります。鞘付木刀や居合刀(模擬刀で約3~5万円程度)が必要となりますが、帯や鞘付き木刀、居合刀は道場からの貸し出し用の物がありますのでご心配ありません。
最初のうちは膝用のサポーターだけ準備していただき、ジャージなどのトレーニングウェアでも参加可能です。
無雙直傳英信流居合兵法について
居合とは、斯くあるべしと定められた千変万化の変に応じて、最も効果的に且つ合理的に組み立てられた基本的なものから逸脱することを許されないもので、その教習課程として稽古の順が定められています。
文政二年、山川幸雄述坪内長順記神伝流秘書によりますと
(1) 大森流居合之事
(2) 英信流居合之事
(3) 太刀打之事
(4) 詰合
(5) 大小詰
(6) 大小立詰
(7) 大剣取
(8) 抜刀心持之事
(9) 棒合
(10) 夏原流和之事
となっています。
誠之館兵庫道場では、上記の順を踏まえ、無雙直傳英信流居合兵法の基礎は大森流と捉え、この大森流が行ぜられた上に立って、英信流で臨機応変の業を修め、次に課せられる組太刀や組討でその間合、抜付、斬下ろしの機会、方法等対敵の動作を会得し、更に進んで、「刀に手を掛けた時が斬った時で、斬った時が納め終わった時」と奥儀に進み得るよう稽古に励みたいと思っています。
全日本剣道連盟居合について
全日本剣道連盟居合は、昭和44年、居合各流派の業として基本的なものを抜き出し、これを総合して、剣道人のための居合の入門用の形として七本が制定されたものです。
この制定に委員長として携わられていたのが政岡壹實先生です。
その後、昭和55年に三本が追加され、昭和63年に解説書の改正、更に、平成12年に二本が追加され、現在では十二本の業が普及しています。
(財)全日本剣道連盟では、この全日本剣道連盟居合の普及に力を入れ各地で講習会を開催し、昇段審査でもこれを重視し、主催する全日本居合道大会でも指定業とされています。
誠之館兵庫道場でも、無雙直傳英信流の稽古と並行して、全日本剣道連盟居合の稽古にも励んでいます。